エアクロが提供する「pickss」がリニューアル。「選ばない買い物」を加速させる

 

自宅で体験するパーソナライズドファッション

女性向けのサブスクリプションレンタル事業「エアークローゼット」を展開するエアークローゼット社が、2017年から展開する「pickss(ピックス)」を2018年3月28日にリニューアル。ファッションのパーソナライズ化を加速させる。

 

pickssはプロのスタイリストによるパーソナルスタイリングが受けられるサービス。ユーザはまず洋服のサイズや好みを登録。それに基づいてpickssのスタイリストが洋服を5点セレクトし、自宅に送付する。届いた洋服は3日以内に試着し、どの商品を購入するか、あるいは返品するかを決める。購入はアプリから行い、すべて購入することもできれば買わないことも可能だ。

ユニークなのは料金体系。一回の送付につきスタイリング料が2800円かかるが、1点以上購入するとこのスタイリング料は無料になる。また2点以上アイテムを購入すると割引がされ、アイテム数が増えるほど割引率がアップ(たとえば2点で5%、5点で15%offといった具合だ)するのだ。

エアークローゼット社によれば、50%のユーザは「買い物で選ぶのが面倒」と回答し、64%が「時間がなくて買い物を諦めたことがある」そうだ。こういったユーザにはpickssはぴったりだろう。またpickssは新たなブランドに接する機会にもなり、アイテムを提供するブランド側(2018年03月時点で20のブランドがpickssに参加)にもブランド認知になりというメリットがある。

pickssの送付キットイメージ

 

pickssのビジネスモデルは2018年にアメリカで上場したStitch Fixと同様だし、スタートトゥデイは「おまかせ定期便」という類似のビジネスを始めて話題になった。パーソナルスタイリングの領域は今後も競争が加速するだろう。ユーザの嗜好に合うスタイリングを提案し、さらに効率的な運営をすることが鍵と思われるが、この点についてエアークローゼット社は、データ解析の研究を大学教授と実施したり、データアナリストが社内で積極的に分析をすすめているとのことだ。

 

パーソナルスタイリングを加速するための新機能

今回のリニューアルに伴いpickssに追加された機能が「マイクローゼット」と「スタイルカルテ」。

まずマイクローゼットは、すでに自分が所有している洋服の写真をpickss上に登録しておく機能だ。これによりユーザは登録したアイテムの中から、「この服と合わせたい」というリクエストを送ることが可能となる。ユーザの利便性が高くなるのはもちろん、「ユーザの持っている服がわからかったのでスタイリングしにくい」という課題感をもったスタイリストが、パーソナルスタイリングをしやすくなるという一面もある。

他方のスタイルカルテは、ユーザとスタイリストが共有するカルテ機能。従来からスタイリストはユーザごとのカルテを保有していたが、これをユーザも(一部)見えるようにすることで、ユーザとスタイリストがパーソナライズに対する共通認識をもつことができるようになる。これによりパーソナルスタイリング全体の体験価値を高めていくようだ。

 

pickssで「移動」と「洋服を選ぶ」時間を削減する

女性のビジネス的な社会的な活躍に伴い、他方でゆっくり買い物をしたり、服を選んだりする時間は減っている。エアークローゼット代表の天沼氏が語るところによると、店舗からECの変化でまずショッピングに「移動コスト」がなくなった。しかしECでの買い物にはまだ「洋服を選ぶ」というコストが残っている。pickssを使うことによってこの「洋服を選ぶ」というアクションをスタイリストに任せることできる。これにより時間の節約にもなるし、ライフスタイルに合わせて、家族だったり自己研鑽のような価値ある時間を増やしてほしいそうだ。

 

また当然ながら一般的なECでは、試着をしたりコーディネートをみてみるといったことは難しい。一旦買って返品するという方法もあるかもしれないが、これは次善の手段だし、少なくとも正規の手段ではない。pickssはそもそもに試着という「体験」を提供しているという天沼氏の説明も興味深いポイントだった。

pickssは2017年10月に一旦リリースしたものの、すぐにアイテムが完売御礼になってしまったようだ。本日のリニューアルオープンに合わせて在庫が復活するようなので、気になる方はぜひ試してみてほしい。

pickss – プロが「似合う」をピックする。パーソナルショッピングアプリ
https://www.pickss.jp/