NY進出を考える9人の女性起業家が登壇。アノテーションや東南アジアの生鮮食品EC、3Dセンサー×運動、CBD飲料等の展望をピッチ

2024年5月、「女性起業家英語ピッチ大会 〜ニューヨークスタートアップ市場への挑戦〜」と題されたイベントがTokyo Innovation Baseで開催された。主催はEY Japanと、スタートアップのニューヨーク進出を支援するSquare Up New Yorkだ。本イベントではニューヨークを始めとしたアメリカ進出を目指す以下の女性起業家9人がピッチを実施している(敬称略)。

・株式会社バオバブ 相良 美織 
・株式会社タスカジ 和田 幸子 
・ Project Felicia | Bridge and Blend Hiro Nakayama
・日本産前産後ケアーセラピスト協会 萩原 香織
・株式会社 SECAI MARCHE 杉山 亜美 
・Luna Pets 山本 和奈 
・株式会社SHOSABI 神山 祥子 
・株式会社リプレニティ 小林 恵梨子 
・株式会社Leaflow 長森 ルイ 

また以下の3人が審査員(ただし、最優秀賞を決めるような一般的なピッチの審査はなかった)として参加している。

・New York Angels , Investor, Ray Farrell
・JETRO New York ,Director, 中嶋 大騎
・Square Up New York , CEO, 梅原 靜香

イベント冒頭にはSquare Up New York 梅原氏からニューヨークのスタートアップ環境概観も語られている。ニューヨークでは女性起業家が活躍しやすい環境が整っているようだ。以下では編集部が注目した5社を紹介しよう。

 

家事代行マッチング「タスカジ」

ハウスキーパーと、家事を依頼したい人をマッチングする家事代行マッチング「タスカジ」をプレゼンしたのは、株式会社タスカジ。望む人生やキャリアを築くのが難しい日本女性が抱える課題を解決するために立ち上げられたスタートアップだ。本イベントでは、新規事業として、Amazon Dashのような、NFCタグを使って家事に伴う日用在庫品を発注するシステムの開発も発表した。

 

AI開発用アノテーション by バオバブ

株式会社バオバブが提供するのは、LLM(大規模言語モデル)向けのデータセット構築をはじめ、画像認識・対話シナリオ・マルチモーダル向けのアノテーションサービスだ。Baopartと呼ばれるパートナーを独自に育成し、アノテーション作業を遂行している。障害者や難民女性へアノテーショントレーニングを独自に実施することで、彼・彼女らの就職支援にも繋げているのも特徴だ。

 

生鮮食品ECプラットフォーム「SECAI MARCHE」

株式会社SECAI MARCHEが開発するのは生産者と消費者をダイレクトにつなぐ生鮮食品ECプラットフォームだ。生産者に必要な受発注、決済、物流等のフルフィルメントソリューションを提供し、現在は主に日本や、マレーシア、シンガポールといった東南アジアで活動。350の農家と取引し、4000商品を扱っている。同地域では食品が新鮮な状態で輸送されていないことも多く、また農家が効率的に市場にアクセスできる仕組みも整っていない。この課題を、農家が直にレストランや消費者にアクセスできるようにすることで解決する。

 

3Dセンサーを使った女性のための運動習慣化サービス

三菱ケミカルグループ株式会社からスピンアウトして設立された株式会社SHOSABI。日本では7割の中高年女性に運動習慣がないことが課題となっている。所作美は女性のための運動習慣化サービスで、3Dセンサーを使い、運動時の体の傾きなどを可視化することで、運動の継続化に繋げていく。主なターゲットはグローバルのフィットネスジムだ。

 

ノンアルコール飲料「Leaflow」

株式会社Leaflowが開発するのはノンアルコールのCBD(カンナビジオール)ドリンクだ。CBDを使った飲料やフードは海外でも登場してきているものの、原料自体に苦みがあり、「おいしい」と感じるものは少ないようだ。Leaflowは日本産のレモンやヒノキを使うことで、苦みが少ないドリンクを開発。日本産原材料を訴求し、海外市場にも挑戦していく算段だ。

(text & photo: pilot boat 納富 隼平)