【感想文】『誰がアパレルを殺すのか』ファッションからみたFashionTech

こちらの本を読んだので感想文をばばばっと。。

『誰がアパレルを殺すのか』杉原 淳一 (著), 染原 睦美 (著)

作者のお二人は日経ビジネスの記者でファッションを担当されているそうです。webでも関連記事を書いています。
誰がアパレルを殺すのか

こういう、紙で基本的なことや普遍的なことを、webで事例やupdateをしていく、というのは好きな形態です。こういう形式ふえたらいいですね。機会があればお会いしてみたいです。

余談ですが、この本に出てくる中何人かは知り合いで、インタビューもされているのですが、著者お二人のFacebookの共通の友達に出てこないんだよな。なんでだろう。

 

ぺーたろーもFashionTechの講演させていただいています。写真は2017年4月のIFFMAGICというファッション展示会。

 

トピックスはシェアリングエコノミーやサブスクリプション、パーソナライゼーション、ストーリーテリング

本書の構成はいたってシンプル。現状把握→歴史→最新のプレーヤー→今後の展開。

現状把握や歴史は業界の中の人からすれば「よくまとまってるなー」くらいで目新しいことはないのかもしれませんが、そんなに詳しくない方にとっては読みやすいものかと思います。

個人的には最新のプレーヤー、すなわち(IT)ベンチャー企業のところは面白かったです。いわゆるFashionTechベンチャーですね。私は仕事柄ベンチャー企業の方々と毎日お会いするのですが、ファッションの文脈からみるとこういう風に彼らが見えるのか、というのは興味深かったです。

掲載されているベンチャー企業(ファッション×ITであたらしいことやっている、くらいのニュアンス)は以下の通り。

  • Everlane
  • Warby Parker
  • MM.LaFleur
  • GREATS
  • ZOZOTOWN(日)
  • airCloset(日)
  • Rent the Runway
  • nutte / andColors(日)
  • Creema(日)
  • Etsy
  • ストライプインターナショナル

他にもたくさん登場していましたが、FashionTechっぽいのはこんな感じかと思います。結構海外の企業が多かったです。

これらの企業はシェアリングエコノミーやサブスクリプション、パーソナライゼーション、ストーリーテリングでの文脈で登場していました。Tech側の人間からするとそんなに珍しい感じもないのですが、世間的にはまだまだ新しい分野。本でこういうトピックがまとまっているのもあまり見たことがないので、これから世間に広がっていく段階なのかなと再認識しました。

ファーストリテイリングの柳井さんのインタビューも掲載されていました。ブランドは価値観を提案しなくてはいけないという趣旨の発言をされていまして、ユニクロは「ライフウェア」という価値提案をしている、と。これもストーリーテリングの文脈かなと思います。

 

総じて、ファッション関連の方は読んでおいて損はないのかな、と思いました。ファッションもFashionTechもばりばり詳しいぜ〜、っていう方は読む必要ないかもですが、そんな人は日本に1000人くらいしかいないんじゃ…

 

特にファッション業界にいるけどファッションベンチャーに詳しくない、という方は第3章「消費者はもう騙されない」第4章「僕らは未来を諦めてはいない」を読んでほしいです。

 

peitaroもFashionTech得意分野なので、ここに登場・お手伝いできるくらい頑張りたいです(‾ ▽ ‾)

気になる方は是非ご覧ください。