Lost in sharing economy, coin locker refugee "ecbo cloak"

今回お話しを伺ったのは、ecbo cloak (エクボクローク)。カフェやお店の空いているスペースにコインロッカーと同料金で荷物を預けられるサービスです。ローンチ後すぐに色んな媒体で取り上げられ、今でもマスメディアで継続的に取り上げられています。
参考)50年ぶりのコインロッカー革命、渋谷のカフェを荷物預かり所にするecbo cloakスタート

なぜこの事業をはじめたのか、どんなところに預けられるのか、シェアリングエコノミーの可能性などを聞きました。(インタビューは2017年8月に実施)


ecbo株式会社 代表取締役 工藤 慎一

1990年マカオ生まれ。日本大学経済学部卒。
2014年、Uber Japan 株式会社にてインターンを経験。
2015年6月、ecbo株式会社を設立し代表取締役社長に就任。オンデマンド収納サービス「ecbo」をβ版運営。
2017年1月、世界初のシェアリングサービス「ecbo cloak」を立ち上げ。

 

カフェや神社のスペースで荷物を預かってくれる

旅行先でスーツケースを預けたいのにコインロッカーが見つからない、ホテルのチェックインまでは時間があって、スーツケースを持ち歩いて観光…そんな経験がある方も多いのではないだろうか。今回紹介するのは、そんな悩みを解決するシェアリングエコノミーサービスecbo cloak(エクボクローク)。

ecbo cloakは、スーツケースはもちろん、スキー板、楽器、ベビーカーなどの大きな荷物を簡単に預けられるサービスだ。預けるのはカフェやカラオケなどの”ちょっとした”スペースが余っている場所。2017年1月にサービスをリリースし、2017年8月現在ではコワーキングスペース、ゲストハウス、カラオケ、漫画喫茶、神社など1100箇所がecbo cloakに登録されている。

立地などもあるが、人気なのは例えば飲食店。飲食店ならそのまま食事もできるからだ。着物のレンタルをしている店も、荷物を預けにいっただけなのに着物もレンタルできたりして、人気だそう。

 

そもそもスーツケースを預けられるロッカーが足りない

そもそも、工藤氏はなぜこのビジネスを始めたのだろうか。

渋谷駅で訪日外国人の方にスーツケースを預けられるロッカーはないか聞かれて一緒に探したのですが、40分たっても見つからなかったんです。そのときに、実はロッカーは全然ないんじゃないかと思いました。

そもそも渋谷駅には1400個程しかロッカーがないし、スーツケースが預けられる大型のものは100個もないらしい。訪日観光の方も増えているのにこれは明らかに課題だ。

話はそれるが、ecboは、筆者が主催しているsproutというイベントに2017年6月に登壇している。そのときのゲストが渋谷副区長で、渋谷区もコインロッカーなど荷物を預ける場所は足りていないと認識していた。つまり行政の観点からもecboのようなサービスは需要があるのだ。

 

sproutでプレゼンする工藤氏。

当初工藤氏は、コインロッカービジネスをやろうとしていた。しかし、場所や初期投資が必要になるし、ITもなくてスケール感も薄い。そこで着想したのがecbo cloakというわけだ。

ecbo cloakはサービスの性質上、スペースを持っている企業や店舗との協力が必要だ。そこで力を入れているのが、店舗や駅、百貨店等との連携だ。例えば、あるチェーン店すべての店舗で荷物を預けられるとわかっていれば、ユーザの認知も獲得しやすいからだ。加えて、某鉄道とも交渉中とのことだ。駅で降りてそのまま荷物を預けられれば、そのまま観光に行ったりと身動きがとりやすくなる。

 

グローバル500都市で使えるサービスへ

ecbo cloakのユーザは、9割が外国人、特に日本人気が高い台湾や、香港・シンガポールのユーザが多いそう。工藤氏はマカオで生まれたこともあって中国語が堪能だそうだが、どのようにマーケティングをしているのだろうか。

色々試しましたが、東南アジアではSNS、特にFacebookが有効でした。日本でのTwitterのような感覚でFacebookが使われているみたいです。有益な内容はすぐにシェアされ、口コミでecbo cloakが広がっていきました。動画も再生されやすく、1ヶ月ほどで100万再生されました。

ecbo cloakは現在、東京・大阪・京都・福岡の4都市で利用可能だ。今後はグローバルなサービスへと成長させ、2025年にはグローバル500都市で使えるようにしたいと息巻いている。

 

 

量的なものだけでなく、質的な成長も計画している。

ecbo cloakを発展させた、3つのイノベーティブなサービスを仕込んでいます。シェアリングエコノミーを思いっきり活用し、日本発のAirBnb、UBERのようなグローバルで支持されるサービスを作り上げていきたいです。

直近の目標は、2018年3月に全国1万の店舗でecbo cloakが使えるようにすることだ。ロッカー難民になったときには、是非ともecbo cloakを思い出して使ってみて欲しい。

 

The contents of the interview are also distributed by podcast

podcastでインタビュー内容を配信しています。テキストより情報が詰まっています。興味がわいた方は是非聞いてみて下さい。