OFFICE DE YASAI designs long-term productivity from vegetables.

「働き方改革」や「健康経営」。考え方はわかるけど、実際何すればいいの? そんな疑問の答えのひとつがOFFICE DE YASAI。その名のとおり、オフィスで新鮮な野菜が安く気軽に食べられるサービスです。なぜオフィスで野菜を食べることが経営課題とつながるのか、生産者と消費者の距離が近くなった話、オフィスに来ることが楽しくなる話を、OFFICE DE YASAIを提供する株式会社KOMPEITOの川岸代表に伺いました。

 

社員の健康が長期的な生産性を支える

近年IT企業やスタートアップで、食堂やドリンク、食べ物などを無料または安く提供している会社が増えています。Googleの食堂は無料なことで有名ですし、飲み物は飲み放題なんてところも多いですね。

ところでとある会社は、福利厚生の一環としてソフトドリンクを無料にしたのですが、数ヶ月で止めたそうです。理由は「社員が太ったから」。その会社では社員の平均体重が、半年で3kg増えたそうなのです(10kg増えた方もいたとか)。この施策を続けたら社員が健康を害してしまう…そう思った経営陣はソフトドリンクの無料提供を中止したそうです。

この例は極端かもしれませんが、社員が次々に体調を崩していたら、その会社の長期的な発展は望めません。

奇しくもこの原稿を書いている2017年現在は「働き方改革」や「健康経営」など、従業員の健康が社会的なトピックになっている時代。会社にとって社員の健康をコントロールするということが、経営課題になっているのです。

さて、本日紹介するサービスは「OFFICE DE YASAI」。新鮮な野菜や果物がオフィスで簡単に食べられるサービスで、社員の健康を考える方策のひとつとして注目されています。OFFICE DE YASAIを運営するコンペイトウの川岸社長に、お話を伺いました。

 


株式会社 KOMPEITO 代表取締役 川岸 亮造(Kawagishi Ryozo)

1982年生まれ。千葉県出身。
東京理科大学卒業後、製造業向け日系コンサルティングファームにて、研究開発部門の改善を担当。新商品企画・プロジェクトマネジメント・チームビルディングといったテーマのコンサルティングで成果を出す。
地域の研究所や工場をまわる中で、地域活性や農業活性の必要性を強く感じ、株式会社KOMPEITOを2012年に創業。オフィス向け野菜提供サービス「OFFI DE YASAI(オフィスで野菜)」を通じて、地域や農業の活性化に取り組む。現在はベンチャー企業から上場企業まで500社以上の導入実績があり、各社の健康経営・働き方改革に寄与している。

 

オフィスにある冷蔵庫から、100円で野菜が食べられる

OFFICE DE YASAIは会社に冷蔵庫を設置し、従業員はその中にある野菜や果物を100円で購入できるというサービスです。パッキングされているので洗わないでそのまま食べることが可能。生鮮食品なのでOFFICE DE YASAIのスタッフが週2回と頻度高めに補充し、賞味期限が切れるものは回収されるとのことです。

野菜等は産直で、どの農家が作ったかわかるようになっています。生野菜だけでなく、サラダタイプも用意されており、人気なのは「きゅうり、にんじん、だいこんにちょっと特徴のある野菜」が乱切りになっているものだそう。

 

ローンチしたときはIT企業でも導入が多かったそうですが、最近はナショナルクライアントのような大企業でも導入が増えているそうです。

社食もあるような大企業でも導入されています。どうしてかなと思ったのですが、社食は24時間開いているわけではないからなんですね。朝食べないで昼食まで我慢しちゃう人もいますし、ベジタリアンメニューが必要なこともあります。食堂以外で好きな時間に野菜を食べるというニーズは、想像以上に大きいのです。(川岸社長)

 

OFFICE DE YASAIを導入するためには、まず企業が月額プランでコンペイトウ社と契約し、その後オフィスに冷蔵庫を設置。従業員は100円と引き換えに野菜を入手できるようになります。従業員が支払った金額は月額から差し引かれ、コンペイトウ社に支払いをする、といった仕組みです。

 

安くて気軽だから、野菜も進んで食べる

一般的なサラリーマンの労働日は240日。スポーツ選手が体調を整えるように、サラリーマンだってコンディションを整えなくてはなりません。何日も二日酔いみたいな状況はいけないわけです。

と理屈はわかっていても、人間は糖質や油をついつい摂ってしまうもの。野菜は食べようと思ってもなかなか食べられないものです。OFFICE DE YASAIも、いくら会社に置いてあるからって本当に食べるものなんでしょうか…?

OFFICE DE YASAIは1品100円と、コンビニやスーパーで買うより圧倒的に安くなっています。「安いし近くにあるし食べとこう!」ということがインセンティブになって、自ら進んで食べているんです。毎日頑張って野菜を食べることに比べたらいやいや食べる感じが減っているんですね。

 

 

OFFICE DE YASAIを導入する動きは、近年盛り上がっている働き方改革や健康経営と無関係ではありません。社会的な流れもあり、大企業はこぞって健康推進戦略室をトップダウンで作っているそう。作ったからには施策として何かやっていかなければなりませんが、社員に野菜を食べてもらうというのはわかりやすい健康施策なわけです。調べていったらOFFICE DE YASAIにいきつくことが、導入のきっかけになることも多いのだとか。

OFFICE DE YASAIはテレビをはじめ多数のメディアに露出。それを見つけた社員が総務部にリクエストすることも多いそうです。総務も複数問い合わせがくるため、一旦話を聞いてみよう…となるのだとか。

現在OFFICE DE YASAIがフルサービス(コンペイトウのスタッフが冷蔵庫まで届けてくれる)で営業しているのは東京都心と横浜みなとみらいまでで、遠いところは宅配便で対応しているそう。しかしこの冬から、福岡・神戸・大阪・京都・名古屋にコンペイトウのスタッフが配送するエリアを拡大していきます。日本全国少しずつ、健康になっていく会社が増えそうです。

 

起業のきっかけは農業に変革を起こしたかったから

川岸さんがKOMPEITOを創業したのは2012年。川岸さんも共同創業者の渡邉さんも元々は製造業をメインクライアントとする経営コンサルタントだったそうですが、その会社が農業にも目を向け始めました。ただ一日にすごい数の生産を繰り返す製造業に比べ、農業は年に1、2回しか生産できません。ちょっと勝手が違いそうですし、コンサルティングフィーをもらえる感じでもなさそう。結果的に会社は積極的には仕事にしなかったようですが、課題が多いことはわかってきました。

意を決した川岸さんと渡邉さんは、農業活性や地域活性分野での起業を決意。KOMPEITOを創業しました。

変革を起こすような仕事をしたいと前から思っていて、農業や食のことを調べているとそれに近いことができる気がしたんです。コンサルティングも変革の一翼を担っていますが、クライアントがよくなってプロダクトがよくならないといけないので、ちょっと現場まで遠いんですよね。だったら自分たちでやろうと思って、起業しました。

 

生産者と消費者の距離が近いから、本当のニーズがわかる

ところで最近、デジタルやITを駆使した、いわゆる直販的な事業が増えています(ファッションの世界ではD2C(Direct to Consumer)なんて言われています)。食の分野にあてはめると、農家や漁師の方が自らの商品を直接消費者に売ったりするようなビジネスです。OFFICE DE YASAIも直販に近しいビジネスですね。

これによって消費者と生産者の距離は近くなります。消費者からすると、新鮮な野菜が安く手に入ったり美味し食べ方を教えてくれたりと嬉しいことも多いのですが、生産者側にもメリットは多いのです。

野菜を例にとると、昔ながらの農家の売り先は仲買人。その仲買人も卸やスーパーに売っていくので、農家の方からすると最終的にどんな方が自分の野菜を手にとって、どのように食べているかはほとんどわからないのです。

最近はOFFICE DE YASAIのように農家から直接仕入れるようなビジネスが登場してきていますし、マルシェなども増えています。農家の方も消費者と直接コミュニケーションできて「今まではとりあえずキレイな野菜を作っていたけど、消費者には他にもニーズがあるんだな」なんていうことがわかるようになってきたそうです。

野菜をECで売っているという事例もありますが、食べるものなので消費者はおいそれと買いにくいんですよね。その点OFFICE DE YASAI野菜は、すでにオフィスで手に取っていただいているので、安心感があります。その野菜をそのままEC経由で家でも食べられるというニーズも叶えることも可能なんです。今はまだ対応していませんが、将来的にはそういったサイクルは増やしていきたいですね。

 

 

野菜だけでなく、会社に行くのが楽しくなるような仕組みを

野菜を身近にしていきたいという野望をもつOFFICE DE YASAIですから、ここに集うメンバーも農家に繋がりのある方や地方出身の方が多いのだとか。実家が農家だったり、農業は身近にあったけど閉塞感があると感じていた方が、農業をもっとよくしていきたいとの思いから入社するような方が多いそうです。他にもコンビニで商品開発をしていましたが、保存料を使わない商品開発に携わりたくて入社した方もいるそう。既存の食との関わりを見直したい方が、コンペイトウには多いようです。

最後に、今後の展望について伺いました。

野菜や果物にかぎらず、自分の家に必要なものを会社から申し込めたり、持って帰れるようにしたいんです。冷蔵庫をIoT化するかもしれないですし、日々必要なものを頼める仕組みを作っていきたいですね。会社に来るのがちょっと楽しくなるようにするのが目標です。

 

オフィスに野菜を置くことから、人々の健康をデザインするOFFICE DE YASAI。社員の健康を底上げしたい会社、長期的な生産性を上げたい会社など、ぜひサイトを覗いてみてください。

 

 

The contents of the interview are also distributed by podcast

podcastでインタビュー内容を配信しています。テキストより情報が詰まっていますので、興味がわいた方は是非こちらも聞いてみて下さい。

AUTHOR
納富 隼平(Notomi Jumpei)
合同会社pilot boat CEO
1987年生まれ。2009年明治大学経営学部卒、2011年早稲田大学大学院会計研究科修了。在学中公認会計士試験合格。大手監査法人を経て、トーマツベンチャーサポート株式会社に参画し、ベンチャー支援に従事。毎週開催ピッチイベントMorning Pitchをはじめ、300超のピッチ・ベンチャーイベントをプロデュース。2017年に独立して合同会社pilot boatを設立し、引き続きベンチャー支援に従事する。現在もBtoCベンチャープレゼンイベント「sprout」、ベンチャーHow to紹介イベント「faces」を主催する。得意分野はFashionTechをはじめとするライフスタイル系BtoCサービス。「pilot boatのブログ」「pilot boat cast」を運営。

 

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