FACYならチャットで気になる洋服を探せます

今回のゲストはファッションのチャット型コマースを扱うSTYLER(スタイラー)代表取締役CEOの小関翼さん。なぜコミュニケーションがファッションの買い物で重要なのか、海外の動向、そしてFACYというサービスについて伺いました。

※2017年に、STYLER(スタイラー)はサービス名をFACY(フェイシー)に変更し、リブランディングしています。なお社名は、スタイラーのままです。


STYLER 代表取締役CEO 小関 翼さん

Amazonにて事業開発を担当。インターネット上で取引をされるアイテムの種類に偏りがあることをECの現場にて実感する。ネットとリアルをつなげることで、情報の非対称性からEC比率の低いライフスタイル領域で日本発のイノベーションを起こすことを目指す。2015年3月に“つながり”でファッションを楽しくするスタイラー株式会社を設立。日英のメガバンクに勤務経験あり。東京大学大学院修了。

 

コミュニケーションからファッションを探し出す

 

STYLER社が展開するのはショップとユーザーをつなげるスマートフォンアプリ「STYLER」。ユーザがファッションに関連する悩みを相談すると、ショップ定員は「うちのお店にはこんな商品があります」というようにファッションアイテムやコーディネートをリコメンドする。気に入った商品があれば店舗やECに行ってそのアイテムを入手する、という流れだ。

つい先日には、歌手の方がSTYLERを使って、ライブで着る蛍光イエローのアイテムを探していたそう。ECでもリアル店舗でも探すのが大変そうなアイテムがが、質問を投稿したら次々と回答が届いたという。

「アマゾンを含めたECはすべて、検索を前提としたUIになっています。欲しいものがわかっているときには便利なのですが、特にファッションや不動産などのライフスタイル領域では、欲しいものが定まっていないときもあります。」とは小関さん。そんなときはECではなく店舗に行って、抽象的なイメージをもとに店員に相談する。つまり、コミュニケーションから正解を探そうとするのだ。

STYLER上ではボット的なコミュニケーションもできるし、在庫確認や取り置きを依頼することも可能だ。結果としてCVRが高くなるという。

 

1対1のコミュニケーションだけでなくメディア機能も

 

STYLERは単にコミュニケーションをするだけではなくて、メディアとしての機能も持っている。

「STYLERはCGMです。ユーザが質問を投稿し店員が回答します。これは誰でも見れるようになっていて、お気に入りができたり、もちろん質問者以外の方がECで購入したり、ショップに質問したりすることも可能です。」

例えばグルメアプリもCGMだが、そこにレビューをしたり投稿したりするユーザは100人に1人もいないはずだ。他のユーザは見ているだけのROMユーザなのだ。しかし、店を探すのはもちろん連絡用に、オフィシャルのHPではなく、アプリのリンクを送った経験は誰しもあるだろう。

STYLERも同じで、自分で質問をするわけではないが、他のユーザの質問をみて提案されたアイテムを実際に購入する層が多いらしい。つまりSTYLERは、ユーザーのニーズと流通情報を集約したメディアとしての機能も持っているのだ。

STYLERで質問された内容はS MAGAGINEという、同社が運営するオウンドメディアでまとめられる。実際にユーザが質問した内容が元になっているため、S MAGAGINEでは本当にユーザが気になっている商品が紹介される。また、これらの記事はYahoo!やスマートニュースなどに配信されることも多々ある。

小関さん(写真右)はFashionTech全般にも詳しく、講演実績も多数。

 

スマホコミュニケーションから洋服を買う?

 

現在、日本の多くのアパレル企業では店舗とECが別れ、セクショナリズムに陥っていると言われている。しかしユーザ目線に立つと、現代はオフラインとオンラインはシームレスに繋がっている。店舗で試着をしてECで購入するかもしれないし、webで商品を発見して店舗に行くかもしれない。顧客だけが先にオムニチャネルを実施し、アパレル側だけが置いてけぼりをくらっているのだ。

他方で、中国や東南アジアなどの途上国ではLeapfrogと呼ばれる現象が発生している。インフラが未整備でキャッチアップをしている国に、一足飛びに新しい技術が普及することだ。すなわち、パソコンの前にスマホが普及したために、ユーザがパソコンを持たずにスマホだけを保有しているのだ。この現象によって、先進国のパソコンで「ググって調べる」という行為は、途上国では「スマホでコミュニケーションをとって解決する」という行為に変わっている。

「ショップはSNS、例えばFacebook に商品情報を投稿します。そうするとユーザはそこで、サイズやコーディネート、果ては値下げ交渉までも行います。回答する定員は値下げの権限も持っているし、SNSのやりとりだけでユーザはアイテムを購入できるのです。」

こんな現象が発生しているため、STYLERは海外でも受け入れられやすいそう。海外向けのFacobookページはすでに合計4万いいねを超えており、反応は上々だ。今後は海外展開を加速させていくとのことだった。

さて、STYLERのことは理解していただけたでしょうか。上記記事の元となったインタビューをsoundcloudで配信しています。STYLERのことをもっと知りたいという方は是非アクセスしてみて下さい。

【2017/09/30 update】

上記記事に登場していただいたあと、サービスとしての「STYLER」は「FACY(フェイシー)」にリニューアルされました。リニューアルの理由や内容をうかがいましたので、是非こちらもチェックしてみてください!