女性の7割が間違っている。FITTINが解決するランジェリーの課題とは

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FITTINは現在、記事中にも出てくるサロンのためのクラウドファンディングを実施中です。
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日本橋に “バストの悩みに向き合う” フィッティングサロンを作ります!

 

FITTINはランジェリー関連のサービスを展開しています。オンラインで既製品の中から自分に合うものをリコメンドしてくれ、また、オーダーメイド品を作ることもできます。FITTINが解決する女性下着の課題や、オフラインのサロンを作った理由を伺いました。(取材日:2017年09月08日)

 

下着の課題をオンライン・オフラインで解決

FITTIN(フィッティン)が手がけているのは女性下着のフィッティングサービス。主に2つのサービスを展開しており、一方がオンラインでランジェリーをリコメンドしてくれるもので、他方がオーダーメイドのランジェリーを作ってくれるというものです。

この記事を読んでいるのが男性なら、女性が下着を選ぶ感覚はちょっとイメージが湧きにくいかもしれません。そこで。靴を選ぶシーンを思い浮かべて下さい。同じ26センチでもメーカーによって履き心地が違うので、店頭で履いてから購入しますよね。女性下着も同じく。例え同じサイズでもメーカーごとに着用感が異なるので、店頭でサイジングをしてもらって購入することが多いそうです。

また、女性の7割は下着のサイズが間違っているというデータもあります。一度店頭で測ってもらったサイズも、年齢とともに肉質が変わったり、出産で体型が変わったりするからです。特にバストはこのような影響を受けやすいのだとか。

これらの課題をオンラインとオフラインで解決していくのがFITTINです。


フィッティン株式会社 代表取締役 本間 佑史子(Honma Yumiko)

神戸市外国語大学を卒業後、トリンプインターナショナル・ジャパン株式会社に2009年に入社。直営店ブランドであるAMO’S STYLEの公式サイト運営責任者、WEB限定商品の開発リーダーを勤める。その後、2013年6月にスカラインターナショナル株式会社を設立。続く2016年3月にオンラインフィッティングに特化したフィッティン株式会社を設立。ブラサイズを間違っている女性、また悩みを抱えている女性の多さを解決するため、2015年に商品データとユーザの体をオンライン上で照合することができる「下着のオンラインフィッティングサービスFITTIN」をリリース。

 

4つの質問に答えるだけで、自分用のランジェリーがリコメンドされる

まずはオンラインのサービス。FITTINのオンラインフィッティングの使い方は簡単で、たった4つの質問に回答するだけで、約1000パターンの体型データから自分の体に近い体型を判定。その体型に合ったアイテムをリコメンドしてくれる、というわけです。

通常店頭では、体・年齢・肉質・悩みなどをアドバイザーの方が聞き、その情報から下着を選びフィッティングしていきます。FITTINはこのアドバイザーの知見をアルゴリズム化。「サイズ」「ボディタイプ」「バストタイプ」「お悩み」の4つの質問に集約し、オンラインで下着がリコメンドされる仕組みを作ったというわけです。

 

自社ブランドのオーダーメイドも展開

FITTINのもうひとつのサービスがオーダーメイドブラ。

先程のオンラインフィッティングでは、他社の商品情報を整理してユーザにリコメンドしていました。しかしそれだと、端サイズ(ボリュームゾーンより小さいサイズや大きいサイズ)や1000パターン中の珍しい体型の方には、そもそもリコメンドできる商品が少ないという課題がありました。

そこでオーダーメイドのランジェリーを作るサービスを展開することに。2017年の4月にクラウドファンディングを皮切りにし、サービスをローンチしました。

アイテムの製作は3つの基本パターンを選ぶことからはじめて、ストラップやバックバンドを替えたり、ワイヤーの角度やパッドの厚さを調整できたりといったことが可能。インタビュー時点では柄などの変更は対応していないそうですが、将来的にはそれもできる可能性があるそうです。

当初はオンラインのみでオーダーメイドを展開していましたが、やはり手にとってみたい、試着してみたいというニーズが高いそうで、2017年09月、日本橋でフィッティングサロンを始めたそうです。ここに来ていただければ、リアルで悩みを相談できたり、試着をすることができるとのことです。

FITTINのオーダーメイドを利用する顧客は「市場の中間層」とのこと。一般的な女性下着は上下で5千〜1万円程度が多いそう。また、1着3万円以上するような高級補正下着を使用している方も多いそうですが、この間はあまりプレイヤーがいないそう。

ワンランク上のアイテムが欲しかったり、ちょっと値段を下げてカジュアルにオーダーメイドを楽しみたい方がユーザになります。平均的には、一人当たり年間で4〜6万が使われている市場がターゲットになります。

 

メーカーで感じた下着×ECの課題

本間さんは元々、グローバルな下着メーカーであるトリンプのEC部門からキャリアをスタートしています。そこで下着をECで販売することの課題と希望を感じたそうです。

下着はオンライン販売比率が2%程度で、アパレルの平均である5%を大きく下回っています。下着は型数が多くてユーザが選びにくいし、何よりサイズ感がわからないんです。

他方で、下着はコンプレックス商材でもあります。困りごとを解決するのにインターネットで調べようとしても、上質な情報は少なく、もっとプロフェッショナルな情報が必要です。ここにビジネスチャンスがあると感じています。

日本人の大半は自分の体型に自信がないと言われています。また、バストの話は友達同士でも積極的にするわけでもありません。そうするとインターネットで情報を探すわけですが、情報は全然ないし、課題を解決してくれるサービスもありません。

また、下着のECを担当していた本間さんが最も感じた課題が「サイズ」。返品やレビューといった施策も試したそうですが、下着は一定時間着用したあとにきつかったり違和感を感じたことがあるアイテムで、結果的にあまり効果はなかったようです。このサイズの問題を解決しなければ、下着のEC化は難しいと感じたことがFITTINを立ち上げた契機となったようです。

 

すべての施策をサロンでつなげる

オンラインフィッティング、オーダーメイド、メディア、そしてフィッティングサロンを始めたFITTIN。今後はどのような展開を考えているのでしょうか。

オンラインフィッティング、オーダーメイド、メディアを運営していましたが、今までは点でビジネスをしているような感覚がありました。この度サロンを始めることで、現場にいらっしゃるお客様と直接コミュニケーションをとることができるようになります。まだまだ課題は現場にあるので、それを吸い上げることで、あらゆる施策を連動させていけると考えています。大きなビジネスモデルのコンバーターという意味でも、サロンには注力していきます。

日本橋のサロンの様子

 

オンライン診断から、顧客の課題を解決するために次々とサービスを打ち出しているFITTIN。そのメンバーにはどんなメンバーが集まっているのでしょうか。

どこかのブランドでフィッティングアドバイザーをしていたような、下着が好きなメンバーが多いですね。好きすぎて商品が売れたら泣いてしまうような子もいます笑

 

下着ビジネスの総合職というのはかなりの狭き門のようで、多くの方は店頭アドバイザーでキャリアを終わらせてしまうそう。しかし彼女たちも本間さんと同じような課題は感じていて、色々調べた末にFITTINにたどり着くことが多いそう。中には学生なのに遠方からインターンに来る方もいるとか。課題感を共有しているので、ビジネスを自分毎しており、FITTINへのコミットがすごいと、本間さんが語っていたのも印象的でした。

 

インタビュー内容はpodcastでも配信しています

podcastでインタビュー内容を配信しています。テキストより情報が詰まっていますので、興味がわいた方は是非こちらも聞いてみて下さい。

AUTHOR
納富 隼平(Notomi Jumpei)
合同会社pilot boat CEO
1987年生まれ。2009年明治大学経営学部卒、2011年早稲田大学大学院会計研究科修了。在学中公認会計士試験合格。大手監査法人を経て、トーマツベンチャーサポート株式会社に参画し、ベンチャー支援に従事。毎週開催ピッチイベントMorning Pitchをはじめ、300超のピッチ・ベンチャーイベントをプロデュース。2017年に独立して合同会社pilot boatを設立し、引き続きベンチャー支援に従事する。現在もBtoCベンチャープレゼンイベント「sprout」、ベンチャーHow to紹介イベント「faces」を主催する。得意分野はFashionTechをはじめとするライフスタイル系BtoCサービス。「pilot boatのブログ」「pilot boat cast」を運営。